「ノート003(その1)」
 ベースフィギュアシリーズ設計図
〜第1稿(1996年頃)〜

記述者  まきの たろう
 
DATE 2002/02/27
 
 
第一稿設計図
<左:正面図、右:側面図>


 上図は1996年頃、初めて計画した26cmサイズの人形の設計図です。
ここに掲載してある図面は、手描きの図面をスキャナで取り込み、
ペイントソフトで上からトレースしてクリンアップしたものです
(下の2枚は手描きのものです)。このボディは設計のみで、実際には
(いろいろな事情で)完成することはなく、存在していないボディです。
 
 当時はこの図面のような関節の形式で、可動部を比較的自由に動かす
ことのできるボディは、タカラのSAJ(※1)しかなく、しかもSAJは27cm
サイズであったため、既存の26cmサイズの人形のドレスとのマッチングが
悪く、26cmのボディでよく動くボディが欲しい思い、計画にいたったです。
 
 一応このボディの計画では、ガレージキットとして頒布を目標にしていました。
 
第1稿<正座図>
 
 このボディの設計コンセプトは、とにかく可動、可動、可動で、人体の 動きの90%以上をトレースできることが目標でした。具体的には正座と 踵落しのできるボディを作りたかったです。
 
 ちなみにこのコンセプトは1998年にボークスからEB素体が発売されたことを きっかけに廃れていき、(設計したものと動きの幅がほとんど同じで、見た目 でもちょっとOUTだったため(^_^;))、その後NEO-EB素体が出たことで 自分で可動を追及する必要がなくなったので、完全に設計コンセプトの中心から 外れてしまいました。
 
 ただ、ある意味、このNEO-EB素体がたどり着いた可動と外見の答えから現在YAIROが 製作しているベースフィギュアのコンセプトが出現するのですが…これは、 脱線しすぎるのでまた別の設計図の項で触れたいです。
 
 このボディの最大の特徴は腹部に横回転の軸が設けてあることと、腰部−大腿部の 関節が二重関節になっていることです。腹部の横回転は、上下に分かれた腹部の 下のパーツで上のパーツを挟み込む形で回転軸を設けることで、とにかく 横に動かしたかったです。大腿部の二重関節は正座と踵落しのための機構です。
 
 この設計の頃にあって、ベースフィギュア/slenderの計画時には消えている関節機構は、 上から腹部の横回転軸、大腿部の二重関節、膝の横回転軸、つま先の関節の4つで、 変更になった関節機構は上から、胴体の関節全部、肘の二重関節、股関節、 足首の二重関節の4つです。
 概念的なものですが、首の関節と肩の関節の構造は、slenderまで引き継がれています。  

第1稿<可動図(踵落しの図)>

 
 その他、関節機構では、その計画を行うにあたって、市販されているボールジョイントの 使用を見送っています。
 その理由は2つあり(※2)、1つはこの時代は肌色のボールジョイントは限定品でしか 販売されておらず入手しにくいというもので、もう一つは関節をよく動かすようにする =ボールジョイントを使用せざるを得ないという、相談したみんながみんな この答えだったので、それに反発して、ということです。不可能っぽい事とかに 挑戦してみたい年頃だったのでしょう…おかげで結構遠回りしたような、 そうでもないような、 よく分からないっすが、今よりは若かったっちゅうことでしょうな…(~_~;)。
 
 改めてこの設計図を見ると、現在と比べて知識(経験)の蓄積量の違いや方向性 (考え)の違いに感慨を覚えると同時に、やろうとしていたことの実際を考え、 無謀だなあとも思ったりします。
 
 
      (第2稿〜97年〜98年頃〜へつづく)
 
   ※1 SAJ=スーパーアクションジェニーの略
   ※2 この後、slenderの完成までに市販のボールジョイントを使用しない理由が他にも いろいろ出てきます。
      この理由についてはその時々の設計図の項で触れたいと思っています。